公開日:2017/06/01 最終更新日:2017/08/23

JVN#51274854
シャープ製住民基本台帳用 IC カードリーダライタ関連の複数のソフトウェアにおける DLL 読み込みに関する脆弱性

概要

シャープ株式会社が提供する複数の住民基本台帳用 IC カードリーダライタのドライバソフトインストーラおよび動作確認ツールには、DLL 読み込みに関する脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • RW-4040 ドライバソフトインストーラ Windows 7 用 バージョン 2.27A (RW4040V2.27_A_win7V.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2189
  • RW-5100 ドライバソフトインストーラ Windows 7 用 バージョン 1.0.0.9A (RW5100V1.0.0.9_A_win.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2191
  • RW-5100 ドライバソフトインストーラ Windows 8.1 用 バージョン 1.0.1.0A (RW5100V1.0.1.0_A_win8.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2191
  • RW-4040 動作確認ツール Windows 7 用 バージョン 1.2.0.0A (RW4040Test_A_win7V.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2190
  • RW-5100 動作確認ツール Windows 7 用 バージョン 1.1.0.0A (RW5100Test_A_win7.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2192
  • RW-5100 動作確認ツール Windows 8.1 用 バージョン 1.2.0.0A (RW5100Test_A_win8.exe) およびそれ以前 - CVE-2017-2192

詳細情報

シャープ株式会社が提供する複数の住民基本台帳用 IC カードリーダライタのドライバソフトインストーラおよび動作確認ツールには、DLL を読み込む際の検索パスに問題があり、同一ディレクトリに存在する特定の DLL を読み込んでしまう脆弱性 (CWE-427) が存在します。

想定される影響

インストーラや動作確認ツールを実行している権限で、任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

最新のインストーラを使用する
開発者が提供する情報をもとに、最新のインストーラを使用してください。
本脆弱性は次のバージョンで修正されています。

  • RW-4040 ドライバソフトインストーラ Windows 7 用 バージョン 2.2.7.1 (RW40Inst.exe)
  • RW-5100 ドライバソフトインストーラ Windows 7 用 バージョン 1.2.0.0 (RW51Inst.exe)
  • RW-5100 ドライバソフトインストーラ Windows 8.1 用 バージョン 1.2.0.0 (RW51Inst.exe)
なお、ドライバソフトが本脆弱性の影響を受けるのはインストーラの起動時のみのため、既存のユーザはドライバソフトをアップデートする必要はありません。

最新の動作確認ツールを使用する
開発者が提供する情報をもとに、最新の動作確認ツールを使用してください。
本脆弱性は次のバージョンで修正されています。
  • RW-4040 動作確認ツール Windows 7 用 バージョン 1.3.0.0 (RW4040Test_win7.exe)
  • RW-5100 動作確認ツール Windows 7 用 バージョン 1.2.0.0 (RW5100Test_win7.exe)
  • RW-5100 動作確認ツール Windows 8.1 用 バージョン 1.2.1.0 (RW5100Test_win8.1.exe)

ベンダ情報

ベンダ ステータス ステータス
最終更新日
ベンダの告知ページ
シャープ株式会社 該当製品あり 2017/06/01 シャープ株式会社 の告知ページ

参考情報

  1. Japan Vulnerability Note JVNTA#91240916
    Windows アプリケーションによる DLL 読み込みやコマンド実行に関する問題

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 6.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: NTTコミュニケーションズ株式会社 東内裕二 氏、PinkFlyingWhale 黒翼猫 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2017-2192
CVE-2017-2189
CVE-2017-2190
CVE-2017-2191
JVN iPedia JVNDB-2017-000105
JVNDB-2017-000106
JVNDB-2017-000107
JVNDB-2017-000104

更新履歴

2017/06/01
影響を受けるシステムに CVE 番号を追記しました
2017/08/23
[影響を受けるシステム] と [対策方法] の記述を更新し、[謝辞] に追記をしました