公開日:2020/02/06 最終更新日:2020/02/06

JVNVU#95679983
Cisco Discovery Protocol (CDP) を使用する製品に複数の脆弱性

概要

Cisco Discovery Protocol (CDP) を使用する複数の製品に、任意のコード実行およびサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性が発見されました。

影響を受けるシステム

影響を受ける製品は多岐にわたります。詳しくは Cisco が提供する情報をご確認ください。

詳細情報

Cisco Discovery Protocol (CDP) は Cisco 製品がネットワークに接続されたデバイスに関する情報を収集するために使用する、Cisco 独自の Layer-2 (データリンク層) ネットワークプロトコルです。Armis Security により、下記の脆弱性が報告されました。
これらの脆弱性により、任意のコードが実行されたり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃が行われる可能性があります。

  • Video Surveillance 8000 シリーズ IP カメラにおけるヒープオーバーフローの脆弱性 - CVE-2020-3110
    CDP を使用する Video Surveillance 8000 シリーズの IP カメラ製品には、DeviceID type-length-value (TLV) の処理に起因するヒープオーバーフローの脆弱性が存在します。
  • Cisco VoIP 製品におけるスタックオーバーフローの脆弱性 - CVE-2020-3111
    CDP を使用する Voice over Internet Protocol (VoIP) 製品には、PortID type-length-value (TLV) の処理に起因するスタックオーバーフローの脆弱性が存在します。
  • Cisco IOS XR ソフトウエアを使用する製品におけるスタックオーバーフローの脆弱性 - CVE-2020-3118
    CDP が有効に設定されている、Cisco IOS XR ソフトウエアを使用する製品には、CDP メッセージ内の特定のフィールドからの文字列を検証する際にスタックオーバーフローは発生する脆弱性が存在します。
  • Cisco NX-OS ソフトウエアを使用する製品におけるスタックオーバーフローおよび情報改ざんの脆弱性 - CVE-2020-3119
    CDP が有効に設定されている、Cisco NX-OS ソフトウエアを使用する製品には、Power over Ethernet (PoE) type-length-value (TLV) の処理に起因するスタックオーバーフローおよび任意の書き込みの脆弱性が存在します。
  • Cisco NX-OS、IOS XR、FXOS ソフトウエアを使用する製品におけるリソース枯渇の脆弱性 - CVE-2020-3120
    CDP が有効の Cisco NX-OS、IOS XR、FXOS ソフトウエアを使用する製品には、リソース枯渇によるサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性が存在します。

想定される影響

  • CVE-2020-3110、CVE-2020-3111、CVE-2020-3118、CVE-2020-3119
    CDP を使用する製品に細工された CDP パケットを送信することにより、任意のコードが実行されたり、当該製品を異常終了させられる可能性があります。
  • CVE-2020-3120
    CDP を使用する製品を再起動させることで、当該製品を異常終了させられる可能性があります。

対策方法

アップデートする
Cisco が提供するアドバイザリを参考に、修正済のバージョンにアップデートしてください。

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#261385
    Cisco Discovery Protocol (CDP) enabled devices are vulnerable to denial-of-service and remote code execution

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:A/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 8.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:A/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C
基本値: 8.3
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

上記の分析結果は、CVE-2020-3110 に対するものです。

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-3110
CVE-2020-3111
CVE-2020-3118
CVE-2020-3119
CVE-2020-3120
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